麻雀クラブ.J-BOY.ジェイボーイ.磐田店.浜松店.は明るい麻雀荘です.セット.フリー麻雀.がいつでも、どなたでもお気軽にご利用いただけます!

J-BOY浜松店

[浜松店] イベント情報・お知らせ

イベント情報

和久津 晶プロ来店!ワンデー大会開催!

2019/09/09

和久津.jpgのサムネイル画像

9/29(和久津プロ来店につき、ワンデー麻雀大会を開催します。

 【会場費5500円、半荘4回戦+上位4名で決勝1回戦】

 

エントリー制で、当日(13:00~18:00)はエントリー選手以外のご入店はできませんので、あらかじめご承知ください。

13時までと18時以降は通常営業を行っております。

エントリーはお電話にて受け付けております。

 

Jボーイ浜松店 053-472-4774

イベント情報

第26回Jボーイカップ2019夏 決勝戦観戦記

2019/09/02

   1st stage(1、2回戦)
前日、Jボーイでの仕事を終え帰路に就く。ふと外に出た瞬間、秋の風を感じ夏の終わりを実感した。明日は9月1日、Jボーイカップの決勝戦が行われる。麻雀店「Jボーイ」のお客様もスタッフもこの大会に多くの熱を注いでいる。たかが麻雀大会と思う方もいるだろうが、正しく麻雀の結果を評価されることに異論がある麻雀打ちはいないだろう。
さて、この大会について説明すると、参加者はおよそ30日間の予選を勝ち抜いた28名。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。


2回戦終了後の得点状況は左図のようになった。拮抗する闘いの中、堂々の首位に立ったのは鈴木祐さん。続いて中川士さん、千葉さんと歴代優勝者が並び、4番手に村上さん。ここ
までがアドバンテージを獲得することとなる。一方で熾烈なボーダー争いからも目が離せなく、僅差の16番目の椅子に座ったのは3度目の優勝を狙う岩上さんであった。

2nd stage(準決勝戦A,B卓)

準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決められている。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。ここから決勝戦に駒を進められるのは、各卓にたった一人。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。

A卓 舞い降りた幸運。誰が勝っても初優出という組み合わせとなったA卓。この卓でのアドバンテージ者は村上さん。三振ORホームランのような麻雀で特大な一撃が非常に怖い。そして笹田さん、鴨岡さん、石川さんと似た雀風の4人が揃っただけにメンタル部分が勝敗を決するだろうと予想した。序盤は笹田さん、石川さんの2人がアガリを重ねリードするのだが、皆が一撃を秘めているのでまだまだ行方は分からない。南入し徐々に動き出す。前に出るしか選択肢がなくなった鴨岡さんは三振。逆に村上さんは長打を決め、オーラス三つ巴となる。笹田44300、村上39700、石川37800と満貫圏内に3者が犇く闘いは親番の石川さんが高目の、しかも赤の五マンを引き寄せ逆転となった。黒なら続行で次はどうなったのかはわからないが初決勝に向けて強烈な追い風となったのは間違いないだろう。

B卓 刹那の判断。3度目の戴冠に臨む岩上さんに初優出を懸けて内山さん、渡辺さん、鈴木祐さんの3人が待ったをかける。特に鈴木祐さんはここ数カ月高い勝率を誇り、この1.2回戦でも首位でアドバンテージを獲得している。が、東1局から運命は大きく動き出す。大会特有のルールを熟知した岩上さんがカン3ピンのリーチ。これに同巡内山さんが追いかけるが軍配は岩上さんへ。さらに追撃の手を緩めず5万点オーバーとなる。4本場となり重圧が重くのしかかる中、内山さんに58ソー聴牌が入る。そしてこれを渡辺さんから見逃す。箱点があるこのルールで、追いかける立場にある内山さんは一人の点棒を削りすぎることを拒否し、次巡鈴木祐さんからアガることに成功する。これが功を奏したか迎えた親番で4000オール、4500オールと2局連続の満貫をツモアガる。これで逆転し盤石かと思われたのだがここから深淵へと入っていく。苦しい立場にある渡辺さんと鈴木祐さん。そして聴牌や小さなアガリで差を詰める岩上さん。その差は10500と詰まり迎えた親番に役牌を暗刻にしたドラ1の聴牌。1本場がありリーチをかけるとツモまたは出アガリ裏1条件。岩上さんはリーチを選択。そして同巡内山さんにも役なしカン8ソーの聴牌...腹を括り追いかける。私もそこに座っていたならば同じ決断をしていただろう。これを渡辺さんが仕掛け河に打たれた牌は岩上さんのアタリ牌...1秒もなかった。僅か1呼吸ほどの間で「ロン」の発声。そう、内山さんが出したリーチ棒で再逆転なのだ。緊迫し高揚しているこの場面でなんという冷静な判断力だろうか。やはりこの男が決勝戦でも大本命になるであろう。

2nd stage(準決勝戦C,D卓)

C卓 立ちはだかる壁。連覇を懸けて気合十分の鈴木卓さん、昨年夏の王者中川士さんに初出場の有賀さんと柳本さんが挑む構図となったC卓。東場でその有賀さんと柳本さんの2人が満貫をアガるが即座に中川士さんが追い付く。先制の鈴木卓さんの親リーチに対してドラ切り追っかけ、即ツモの2000・4000。正に暴君らしいアガリである。アドバンテージと合わせ4万点超えとなり、次局親番でさらに追撃の一手を繰り出す。...が、これを鈴木卓さんが躱し、逆に中川士さんから8000の出アガリとなる。しかし、その鈴木卓さんもここで力尽きてしまったか次が続かない。二人の対決を横目にグッと堪えチャンスを待っていた有賀さんと柳本さんが最終局面では一騎打ちへ。オーラス親番の柳本さんが逆転の手を入れるものの一歩届かず...最後は自らの手で締めくくった有賀さんが初出場にて決勝の舞台に立つこととなる。

D卓 信念の一打。優勝歴のある千葉さん、幾度となくファイナリスト入りを果たしている鈴木勝さんと五凌さんに今回浜松店では初出場となる岩品さんというバラエティに富んだこの卓で先手を取ったのは岩品さん。南を暗槓し先制リーチを掛ける。千葉さんがすぐに追いかけるが岩品さんが満貫をツモアガり一歩抜け出す。しかしこのまま簡単に走らせてくれるような3人ではない。誰かが先制リーチを掛けると他の誰かが追いかけるという厳しいリーチ合戦の結果、大きく抜け出す者がいないまま南場へ。南1局、鈴木勝さんが値千金の8000は9500をトップ目の岩品さんから直撃し、流れは鈴木勝さんに傾くかと思われた次局、一回聴牌で繋いだ1本場に事件は起こる。6000は6500オール!僅か7巡目の出来事であった。岩品さんが他を大きく突き放す一撃でトップを一気に手繰り寄せる。苦しい条件を突き付けられた五凌さん、成す術がない千葉さん...一人最後まで抗う鈴木勝さんの姿がそこにはあったのだが最後も岩品さんがしっかりと決めて決勝戦へと駒を進めた。後に聞いた話なのだが、下記の聴牌にツモ4ピン。危険を感じ、打3ピン→8マンポン→打2ピンで全員聴牌という局があった。事実4ピンはアタリ牌だったのだが己の読みに全て賭け、行動出来たことが勝利へ繋がったと見ていいだろう。

Last stage(決勝戦)

 
                  
4人のアドバンテージ者が準決勝で全員敗退し、有賀さん、石川さん、岩品さんの3人が初優出、岩上さんがV3を懸けての闘いとなる今回の決勝卓。この舞台ならではの張り詰めた空気の中、対局が開始する。そして東1局からそれぞれの雀風が現れた。ドラが西ということもあってかメンツ手を見切り七対子に狙いを絞った岩品さんが聴牌1番乗り。ドラの西待ちだ。やや受け気味に進める親の有賀さんからは打たれそうにない。中盤も過ぎた頃、岩上さんが動く。ポンをして聴牌、西単騎、同テンである。ここに岩品さんがツモ切りリーチを打つのだが、西は岩上さんの手元に置かれた。1300・2600。岩品さんとしては感触が悪い。同テンを引かれた上、リーチ棒まで献上してしまう形となってしまった。しかしこの日の岩品さんは攻めの姿勢を崩さない。迎えた親番でリーチを打ち、岩上さんから討ち取り裏ドラまで乗せて12000。半荘1回勝負では実に大きい満貫だ。この後は岩品さんの捌きが随所に光る。石川さんのリーチを、有賀さんの親番をサッと躱し相手のチャンスの目を悉く摘んでいく。有賀さんは500・1000のみ、石川さんに至ってはノー和了だったのである。そしてオーラス、岩上さんの親番である...が、ここでも岩品さんの捌きが冴えわたる。役なしペン7ソーから雀頭の役牌をポンしての9ソー単騎...
               
この日、一番攻めていたのは岩品さんだった。リーチに対しても、仕掛けに対しても強く押し切った。なんでも押すのかと
思えば聴牌から廻ったりと常に己を信じる道を貫いたのである。「後悔しないように打ちたい」と後に語った通りの麻雀を
実践した結果であった。
打ち上げの席にて、年齢も職業も違う一人一人が同じ話題で盛り上がった。同じ時間を共有し、楽しむ。それが麻雀という
ゲームのいいところであり、大会の面白いところであると常々私は思う。Jボーイカップはこれからもたくさんの楽しみを生み出してくれるだろう。

第26回Jボーイカップ優勝 岩品 学さん おめでとうございます!!!

 

 

 

イベント情報

第25回Jボーイカップ2019冬 決勝戦観戦記

2019/02/07

   1st stage(1、2回戦)
暦の上では明日に立春を迎えるのだがまだまだ冬本番といったところか。そんな2月3日、毎年恒例となっている麻雀大会「Jボーイカップ」の決勝戦が行われた。参加者はおよそ30日間の予選を勝ち抜いた28名。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。拮抗する闘いの中、堂々の首位に立ったのは昨年冬の王者千葉さん。僅か1500点差に袴田さん、さらに鈴木卓さん、石野さんと続きここまでがアドバンテージを獲得することとなる。一方でボーダー争いも大接戦となり鈴木崇さんが16番目の準決シートを手に入れた。

2nd stage(準決勝戦) 
準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決められる。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。ここから決勝戦に駒を進められるのは、たった一人。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 絶対王者の条件。この卓でのアドバンテージ者は予選首位の千葉さん。そして岩上さん、鈴木崇さんと歴代王者3人が揃う卓となる。これを迎え撃つのは2回戦で7万点トップを叩き出した加藤さん。東場から千葉さんの独走が続きそれは南入しても継続。が、その矢先の南2局、鈴木崇さんに大三元の聴牌。しかしこれを千葉さんが平和で躱し安泰かと思われた次局の南3局、再び鈴木崇さんが襲い掛かる。リーチ七対子ドラ3の親18000。不運にもこれに放銃した岩上さんが大きく沈み熾烈なトップ争いは千葉VS鈴木崇。僅か400点差である。満貫条件でオーラスの親を迎えた加藤さんも渾身の聴牌を入れ、3者聴牌となり神のみぞ知るアガリ勝負へ...運も味方にするとはこういうことなのであろうか?スッと手を開いたのは千葉さん。昨年の冬に続き2度目の戴冠に向け大きな一歩となった。
B卓 信念の軌跡。自身初のアドバンテージ獲得により決勝卓への意欲を燃やす袴田さん。対するは鈴木勝さん、林さん、太田さん。3者ともファイナリスト経験者である。序盤、この卓は鈴木勝さんが主導権を握る。袴田さんから5200の直撃をアガり次局の林さんの仕掛けに対しては即対応。硬軟織り交ぜた麻雀は老獪さを感じさせる。しかし、安全を優先しすぎたか3本場となった南2局、林さんに大物手が入る。二三四六七七④④⑤⑥567ドラ四の聴牌。赤五を使い平和ドラ2。3本場も考慮すれば是非ともアガりが欲しい場面である。前巡上家の太田さんが④を切っていて、さすがに三色よりも3面張にするのかな?...と思った刹那、七が河に置かれる。なんという信念だろうか。結果、数巡を経て満貫を出アガリするのだがこれが決定打になったのは言うまでもないだろう。
C卓 デビルズゲート。前大会の雪辱に燃える鈴木卓さんがアドバンテージ者となったC卓。序盤からアガリを重ねリードをさらに広げる。これを追う形となった3者なのだが、白井さん、竹内さんの手牌はツモが利かず劣勢に立たされる。その中で一際漲っていたのは平井さん。予選を1位で駆け抜け、他の誰よりもJボーイに滞在し続けた男が熱い執念を燃やす。徐々に差を詰め寄りオーラスにはなんと200点差に迫っていた。過去二度の準決勝ではあと少しのところで涙を呑んできただけに強い想いもあったのではないだろうか...
鈴木卓40400点、平井40200点で迎えたそのオーラス、早々に聴牌に辿り着いたのは平井さん。タンヤオだ。続き鈴木卓さんも形式ではあるものの聴牌する。優位性では平井さんなのだが、アガる為の一牌が果てしなく遠い。結果親が聴牌できずに終局。前回のリベンジを果たした鈴木卓さんが決勝卓に進出すると同時に真っ白に燃え尽きた平井さんの姿が
そこにはあった...
D卓 勝利への道。この卓で先手を取ったのは越川さん。アドバンテージ者で高い攻撃力を持つ石野さんを抑え東3局には5万点に達する。2度の放銃を喫した梅藤さんが1万点を切り万事休す...のように思われたがここから事態は一変する。森さん石野さんがそれぞれツモアガり南入りしてからは梅藤さんの反撃が始まる。トップ目の越川さんから値千金の5800をアガリ、遂にオーラスには4人全員にチャンスがあるという展開となる。越川38000点、梅藤33500点、森31800点、石野21700点。親番の石野さんから先制リーチ、ツモればトップだ。ここに梅藤さんが追いかける14ソー。4ソーなら無条件だが、1ソー出アガリは裏1条件となる。試されるかのように河に打たれた牌は1ソーだった。梅藤さんはこれをスルーし、この局は流局となる。続く1本場、最後の最後まで縺れた勝利の糸をその手に手繰り寄せたのは森さん。3900は5400をアガリ初のファイナリストに名乗りを上げた。

Last stage(決勝戦)

 アドバンテージ獲得から決勝卓に勝ち上がったのは千葉さん、鈴木卓さんの2名。今回は森さんと鈴木卓さんの2名が初優出という事となる。まだ静寂に包まれる東1局、響く「6400」の声。千葉さんが林さんから立直一発七対子の出アガリ。千葉陣営から見ればドラも抱えていない勇気ある七対子で幸先の良いアガリであろうが林陣営から見れば一発で北単騎という悲劇の放銃と見える。

 そして次局さらに過酷な運命が訪れる。東2局、まだ卓の中で牌が積み終わらない僅か4巡目、親の鈴木卓さんから「リーチ」の声。どこか自信に溢れたその発声を聞き、
手牌を覗く。①②③④⑦⑧⑨345八八 ドラ④
 安目出アガリでも12000、高目ツモなら8000オールの超大物手。速度と破壊力を兼ね備えたその気配を感じ取ったのか、一人旅にはさせまいと林さんが追いかける。皮肉にも二人とも③⑥ピンの待ちである。数巡後、このリーチ合戦の軍配は鈴木卓さんに上がる。しかも高目の8000オールで、だ。通常、半荘一回勝負で親倍満はもはや「勝負あり」だろう。事実このまま鈴木卓さんの点棒は大きく削られることもなく南3局、2番手に付けていた千葉さんの親番まで進む。しぶとく粘る千葉さんに隙を与えず防御に徹する鈴木卓さん。この攻防は2本場まで続くのだが、ここでこれまで沈黙していた森さんが現れた。2000.4000の2本場をツモアガる。
 森さんにしてみれば背に腹は代えられない状況だった。ここでこれ以上離されてしまっては優勝への可能性が皆無となってしまうだけに。その反面この満貫に安堵の表情を浮かべたのは鈴木卓さんである。番手との差は2万点弱。オーラスの親は目下最下位で4万点以上の差がある。最も高い壁がこの先に待ち受けているとも知らずに...
そしてオーラス。それぞれに条件がかかる。が、決勝戦は決して条件を強いているわけではない。ただ各々が優勝を目指すためにそうしているだけなのだ。皆が手を組むと自ずと巡目が深くなる。そんな3段目に入った頃に千葉さんからリーチ。ツモか直撃そして裏条件のメンホンだ。その2巡後、遂にあの男が来る。林さんが高目18000のリーチで追いかける。私には場況良しのこのリーチがアガれそうに見えた。しかし無情にもアガリ牌は王牌に眠り流局。1本場を迎えた。
聴牌料と積棒、供託で千葉さんはハネツモ条件となる。現実的な状況に観戦者たちは息を呑む。ここで真っ先に聴牌に辿り着いたのは林さんメンホンの南發待ち。またも18000である。跳直でも逆転しない状況によりリーチ判断。その後、ハネ満の条件を満たした千葉さんが追いかける。再び2者リーチ、しかしまたしても流局で2本場となる。連続での聴牌料で千葉さんは満貫ツモ条件となる。ここで森さんにも現実的な条件が生まれる。倍ツモ跳直だろうか。さっきまで座って観戦していた者達が徐々に立ち上がっていく。
 立錐の余地もないほどに取り囲まれた決勝卓は益々緊迫したオーラを醸し出す。オーラス2本場供託4本。流局で親番を繋ぎ、未だこの親ではアガっていない林さんが難解な牌姿を制して聴牌に漕ぎつけ先制のリーチ、そして待望のツモ牌を引き寄せる。4000は5000オール!強靭な精神力を武器に闘う林さんがとうとう鈴木卓さんの姿をはっきりと捉えた。2000オールまたは2900の直撃で逆転可能となった3本場。林さんに好配牌がくるもののツモが伸びず一向聴で足踏み。
 さすがに前に出るしかなくなった鈴木卓さんがチーをして聴牌するが即座にこれに反応したのは林さん。ポンテンで応戦し直撃すれば優勝という2900聴牌。鈴木卓VS林のアガリ勝負かと思われたその瞬間、森さんからリーチが入る。捨牌はかなり変則的だ。事実七対子ドラ2のリーチで直撃またはツモで裏ドラが乗れば優勝というリーチだった。可能性がある限りはそこを目指すという森さんと千葉さんのスタイルがダントツだった鈴木卓さんを苦しめ、この決勝戦を素晴らしいものにしていることは間違いないだろう。

 このリーチが効いたのか鈴木卓さんはカン六聴牌をシャンポンに受け変えたのだが、この瞬間に林さんが六を押す。露骨にアガリ逃しをした鈴木卓さんは最終的にオリの選択を強いられ、決着はつかず流局で4本場となりいよいよ佳境へ。1副露して2900は8900を千葉さんからアガリ、トップとの点差は500点というところまで迫る。そして遂に終焉の時。鈴木卓さんは林さんのことを麻雀を教えてくれた兄貴分のように慕っている。その二人のどちらかが優勝を手にする
であろうこの場面でお互い目が合いニヤリと微笑んだ。まるでこの状況を楽しんでいるかのように...

 オーラス5本場。早々に聴牌に辿り着くのは鈴木卓さん。ドラの中単騎の七対子だ。一方で林さんの手牌は苦しい。3副露まで晒し未だ一向聴。ノーテンだけは避けたいところではある。持てる技術と読みの情報を駆使して最後のツモでようやく聴牌なのだが、打ち出すのはドラの中。...少考の末、苦渋の決断を下す。
               
 勝利の女神は鈴木卓さんについていた。今日が勝てない日だと言ってしまえばそうなのかもしれないが、運命に抗い必死に抵抗する姿は観戦者を惹きつけ、気が付けば応援団という形を造り上げていた。
 Jボーイはフリー雀荘である。年齢も職業も違う一人一人が同じ時間を共有し、楽しむ。いつの間にか出来たこの輪を仲間と呼ぶことさえできる。そんな麻雀の集大成「Jボーイカップ」はこれからもたくさんのドラマを生み出してくれるだろう。

   第25回Jボーイカップ優勝 鈴木 卓也さん おめでとうございます!!!

お知らせ

「フリー学割」 始めました!

2018/09/12

フリー学割.jpg

イベント情報

第24回Jボーイカップ2018夏 決勝戦観戦記

2018/09/10

Jボーイカップ2018夏決勝.jpg

   1st stage(1、2回戦)
  
季節は初秋。だが、まだまだ暑さが残る9月9日、予選通過の28名によって決勝ステージが行われた。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。4位と5位、12位と13位、そして27位と28位が同点というせめぎ合いの結果、ポールポジションを手にしたのは高林智さん。第19回の王者である。自身2度目の戴冠に向けて絶好の船出となった。2位には五凌さん、3位には手塚さん、4位には同点ながら予選順位が上である岩上さんが入線し、ここまでがアドバンテージを獲得することとなった。

そして気になるボーダー争いだが、制限時間いっぱいで倍満をツモった中川さんが16位に滑り込むと同時に、この倍満を親被りしてしまった小粥さんが17位の時点となり涙を呑む結末となった。

 

2nd stage(準決勝戦)


準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決定される。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか運命の準決勝戦がはじまる。
A卓 王者の意地。プロとの対局を幾度となく制し今大会でも優勝候補に挙げられていた竹内さんが東場で5万点オーバーと大きく突き抜ける。この煽りを喰らう形となった鈴木勝さん、鴨岡さんは共に成す術なし。ひとり気を吐いたのが過去2度の優勝歴を持つ岩上さん。南入からの連続のアガりによって僅差に付けると次局には6000オールで一瞬にして抜き去り、3度目の戴冠に向けて大きく前進した。

B卓 暴君の胎動。予選2回戦で8万点のトップを取り、首位でこの卓に乗り込んできた高林智さんがここでも主導権を握る。東4局親番は越川さん。索子ホンイツ聴牌であったが対する高林智さんは萬子ホンイツでこれを制する。前局に大場さんから8000をアガった中川さんとの一騎打ちの構図となる。このままシーソーゲームとなるのかと思われた矢先、中川さんが牙を剥く。南入直後から連続でのアガりをものにして一気に決勝進出を決めた。

C卓 究極の選択。前回は首位、今回は2位で準決勝に勝ち上がってきた五凌さん、手数で勝負の大石さんに初出場の鈴木卓さんと高林秀さんがどこまで食い下がれるかに注目したC卓は予想通り高打点の応酬となった。まずは東場で五凌さんがダマテンの8000を決める。追いかける立場となった鈴木卓さんが南2局渾身のリーチを制し12000をアガると次局、高林秀さんがその鈴木卓さんから12000をアガり、勝負は三つ巴のままオーラスへ。
トップ目の高林秀さんは2副露して聴牌。そこへ五凌さんが追いつく②単騎か?④単騎か?それとも暗刻のドラ九を切ってのカン③か?⑤がポンされていてカン③も悪くないのだが、②単騎を選択。次巡のツモで待ちが変わり25ソーでリーチ。この判断が功を奏し自身3度目の決勝へ駒を進めた。

D卓 忍耐のその先に。スピードと超攻撃的な戦略を武器に鈴木崇さんが東場から激しく攻め立てるがことごとく空を切る。この恩恵を授かったのがアドバンテージ者の手塚さん。鈴木崇さんが切ったドラをポンして8000をアガり圧倒的優位に立つ。しかし南入直後事件が起こる。ここまで気配を消していた太田さんから18000の声。これに放銃したのは鈴木崇さん。この一アガリで勢力構図は一気に変化し手塚さん太田さんの一騎打ちとなる。
終始苦しい展開だった加藤さんは最後の親が落ちて力尽き、最後まで粘り強く戦った太田さんが初出場初優出の切符を手に入れた。

 

Last stage(決勝戦)

アドバンテージ獲得から決勝卓に勝ち上がったのは岩上さんと五凌さん。そして、太田さんと中川さんが初優出という事となる。多くのギャラリーが見守るなか緊迫した空気での開局、そして東1局から運命は動く。4000オール!。南を暗槓した立直ツモ一盃口。実に効率が良い4000オールである。その1本場、続く東2局と太田さんが8000を放銃し事態は切迫する。そして、ここからがこの男の真骨頂なのであろう。持ち点を5万点台に乗せた中川さんは攻めの手を一切緩めることなくアガり続ける。五凌さんが、岩上さんが、太田さんが、それぞれ果敢に戦うがことごとくなぎ倒すかのようにアガり続ける様はまさに『暴君』そのものである。持ち点は6万点を大きく超え、遂に終焉の時。

対局終了後それぞれのプレイヤーにこの決勝戦での話を聞いた。五凌さん岩上さんはそれぞれ勝つチャンスがあったと語る。意外だったのは中川さんで最後の瞬間まで安心できなかったという事だ。
そして、私が最も印象に残ったのが太田さん。結果は4着惨敗なのだが開口一番、満面の笑みを浮かべて「楽しかった!」と言ってくれた。なんと清々しいまでの負け様であろうか。と同時に、この笑顔は勝者のものであるという事に気付いた。麻雀を打っていれば必ず勝ち負けがある。しかし、それ以上に「楽しむ」という基本的な事を教えて貰ったような気がした。麻雀に携わって数十年、忘れていた初心を思い返し今日も牌を握ろうと思う。


第24回Jボーイカップ優勝 中川 士郎さん おめでとうございます!!!

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