和久津 晶プロ来店!ワンデー大会開催!
2019/09/09
9/29(日)和久津プロ来店につき、ワンデー麻雀大会を開催します。
【会場費5500円、半荘4回戦+上位4名で決勝1回戦】
エントリー制で、当日(13:00~18:00)はエントリー選手以外のご入店はできませんので、あらかじめご承知ください。
13時までと18時以降は通常営業を行っております。
エントリーはお電話にて受け付けております。
Jボーイ浜松店 053-472-4774
第26回Jボーイカップ2019夏 決勝戦観戦記
2019/09/02
1st stage(1、2回戦)
前日、Jボーイでの仕事を終え帰路に就く。ふと外に出た瞬間、秋の風を感じ夏の終わりを実感した。明日は9月1日、Jボーイカップの決勝戦が行われる。麻雀店「Jボーイ」のお客様もスタッフもこの大会に多くの熱を注いでいる。たかが麻雀大会と思う方もいるだろうが、正しく麻雀の結果を評価されることに異論がある麻雀打ちはいないだろう。
さて、この大会について説明すると、参加者はおよそ30日間の予選を勝ち抜いた28名。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。
2回戦終了後の得点状況は左図のようになった。拮抗する闘いの中、堂々の首位に立ったのは鈴木祐さん。続いて中川士さん、千葉さんと歴代優勝者が並び、4番手に村上さん。ここ
までがアドバンテージを獲得することとなる。一方で熾烈なボーダー争いからも目が離せなく、僅差の16番目の椅子に座ったのは3度目の優勝を狙う岩上さんであった。
2nd stage(準決勝戦A,B卓)
準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決められている。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。ここから決勝戦に駒を進められるのは、各卓にたった一人。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 舞い降りた幸運。誰が勝っても初優出という組み合わせとなったA卓。この卓でのアドバンテージ者は村上さん。三振ORホームランのような麻雀で特大な一撃が非常に怖い。そして笹田さん、鴨岡さん、石川さんと似た雀風の4人が揃っただけにメンタル部分が勝敗を決するだろうと予想した。序盤は笹田さん、石川さんの2人がアガリを重ねリードするのだが、皆が一撃を秘めているのでまだまだ行方は分からない。南入し徐々に動き出す。前に出るしか選択肢がなくなった鴨岡さんは三振。逆に村上さんは長打を決め、オーラス三つ巴となる。笹田44300、村上39700、石川37800と満貫圏内に3者が犇く闘いは親番の石川さんが高目の、しかも赤の五マンを引き寄せ逆転となった。黒なら続行で次はどうなったのかはわからないが初決勝に向けて強烈な追い風となったのは間違いないだろう。
B卓 刹那の判断。3度目の戴冠に臨む岩上さんに初優出を懸けて内山さん、渡辺さん、鈴木祐さんの3人が待ったをかける。特に鈴木祐さんはここ数カ月高い勝率を誇り、この1.2回戦でも首位でアドバンテージを獲得している。が、東1局から運命は大きく動き出す。大会特有のルールを熟知した岩上さんがカン3ピンのリーチ。これに同巡内山さんが追いかけるが軍配は岩上さんへ。さらに追撃の手を緩めず5万点オーバーとなる。4本場となり重圧が重くのしかかる中、内山さんに58ソー聴牌が入る。そしてこれを渡辺さんから見逃す。箱点があるこのルールで、追いかける立場にある内山さんは一人の点棒を削りすぎることを拒否し、次巡鈴木祐さんからアガることに成功する。これが功を奏したか迎えた親番で4000オール、4500オールと2局連続の満貫をツモアガる。これで逆転し盤石かと思われたのだがここから深淵へと入っていく。苦しい立場にある渡辺さんと鈴木祐さん。そして聴牌や小さなアガリで差を詰める岩上さん。その差は10500と詰まり迎えた親番に役牌を暗刻にしたドラ1の聴牌。1本場がありリーチをかけるとツモまたは出アガリ裏1条件。岩上さんはリーチを選択。そして同巡内山さんにも役なしカン8ソーの聴牌...腹を括り追いかける。私もそこに座っていたならば同じ決断をしていただろう。これを渡辺さんが仕掛け河に打たれた牌は岩上さんのアタリ牌...1秒もなかった。僅か1呼吸ほどの間で「ロン」の発声。そう、内山さんが出したリーチ棒で再逆転なのだ。緊迫し高揚しているこの場面でなんという冷静な判断力だろうか。やはりこの男が決勝戦でも大本命になるであろう。
2nd stage(準決勝戦C,D卓)
C卓 立ちはだかる壁。連覇を懸けて気合十分の鈴木卓さん、昨年夏の王者中川士さんに初出場の有賀さんと柳本さんが挑む構図となったC卓。東場でその有賀さんと柳本さんの2人が満貫をアガるが即座に中川士さんが追い付く。先制の鈴木卓さんの親リーチに対してドラ切り追っかけ、即ツモの2000・4000。正に暴君らしいアガリである。アドバンテージと合わせ4万点超えとなり、次局親番でさらに追撃の一手を繰り出す。...が、これを鈴木卓さんが躱し、逆に中川士さんから8000の出アガリとなる。しかし、その鈴木卓さんもここで力尽きてしまったか次が続かない。二人の対決を横目にグッと堪えチャンスを待っていた有賀さんと柳本さんが最終局面では一騎打ちへ。オーラス親番の柳本さんが逆転の手を入れるものの一歩届かず...最後は自らの手で締めくくった有賀さんが初出場にて決勝の舞台に立つこととなる。
D卓 信念の一打。優勝歴のある千葉さん、幾度となくファイナリスト入りを果たしている鈴木勝さんと五凌さんに今回浜松店では初出場となる岩品さんというバラエティに富んだこの卓で先手を取ったのは岩品さん。南を暗槓し先制リーチを掛ける。千葉さんがすぐに追いかけるが岩品さんが満貫をツモアガり一歩抜け出す。しかしこのまま簡単に走らせてくれるような3人ではない。誰かが先制リーチを掛けると他の誰かが追いかけるという厳しいリーチ合戦の結果、大きく抜け出す者がいないまま南場へ。南1局、鈴木勝さんが値千金の8000は9500をトップ目の岩品さんから直撃し、流れは鈴木勝さんに傾くかと思われた次局、一回聴牌で繋いだ1本場に事件は起こる。6000は6500オール!僅か7巡目の出来事であった。岩品さんが他を大きく突き放す一撃でトップを一気に手繰り寄せる。苦しい条件を突き付けられた五凌さん、成す術がない千葉さん...一人最後まで抗う鈴木勝さんの姿がそこにはあったのだが最後も岩品さんがしっかりと決めて決勝戦へと駒を進めた。後に聞いた話なのだが、下記の聴牌にツモ4ピン。危険を感じ、打3ピン→8マンポン→打2ピンで全員聴牌という局があった。事実4ピンはアタリ牌だったのだが己の読みに全て賭け、行動出来たことが勝利へ繋がったと見ていいだろう。
Last stage(決勝戦)
4人のアドバンテージ者が準決勝で全員敗退し、有賀さん、石川さん、岩品さんの3人が初優出、岩上さんがV3を懸けての闘いとなる今回の決勝卓。この舞台ならではの張り詰めた空気の中、対局が開始する。そして東1局からそれぞれの雀風が現れた。ドラが西ということもあってかメンツ手を見切り七対子に狙いを絞った岩品さんが聴牌1番乗り。ドラの西待ちだ。やや受け気味に進める親の有賀さんからは打たれそうにない。中盤も過ぎた頃、岩上さんが動く。ポンをして聴牌、西単騎、同テンである。ここに岩品さんがツモ切りリーチを打つのだが、西は岩上さんの手元に置かれた。1300・2600。岩品さんとしては感触が悪い。同テンを引かれた上、リーチ棒まで献上してしまう形となってしまった。しかしこの日の岩品さんは攻めの姿勢を崩さない。迎えた親番でリーチを打ち、岩上さんから討ち取り裏ドラまで乗せて12000。半荘1回勝負では実に大きい満貫だ。この後は岩品さんの捌きが随所に光る。石川さんのリーチを、有賀さんの親番をサッと躱し相手のチャンスの目を悉く摘んでいく。有賀さんは500・1000のみ、石川さんに至ってはノー和了だったのである。そしてオーラス、岩上さんの親番である...が、ここでも岩品さんの捌きが冴えわたる。役なしペン7ソーから雀頭の役牌をポンしての9ソー単騎...
この日、一番攻めていたのは岩品さんだった。リーチに対しても、仕掛けに対しても強く押し切った。なんでも押すのかと
思えば聴牌から廻ったりと常に己を信じる道を貫いたのである。「後悔しないように打ちたい」と後に語った通りの麻雀を
実践した結果であった。
打ち上げの席にて、年齢も職業も違う一人一人が同じ話題で盛り上がった。同じ時間を共有し、楽しむ。それが麻雀という
ゲームのいいところであり、大会の面白いところであると常々私は思う。Jボーイカップはこれからもたくさんの楽しみを生み出してくれるだろう。
第26回Jボーイカップ優勝 岩品 学さん おめでとうございます!!!