第21回Jボーイカップ2017冬 決勝戦観戦記
2017/02/07
1st stage(1、2回戦)
昨日の小春日和から一転冷たい雨が降る2月5日、激戦を勝ち抜いた28名が浜松店に集結し決勝ステージが始まる。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。上位4名を目指すのか、それともボーダーを狙うのか。個々の戦い方は千差万別だが1回戦を踏まえて2回戦の方針を決めるのがセオリーであろう。準決勝へ堂々の1位通過は増田さん。若手らしからぬ重厚な打ちまわしを武器に終始安定した戦いでその座を手中に収めた。そして注目すべきは河野さん。トップ目で迎えたオーラスの親番で続行を選択し上位を狙うがこれが裏目に出て同着の5位となる。これをミスと捉える方もいると思うが彼の優勝に賭ける熱き想いを垣間見ることができた。
2nd stage(準決勝戦)
準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決まる。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 孤軍奮闘。首位で準決勝戦に乗り込み、安定感抜群の増田さんに歴戦の猛者が襲い掛かる。磐田店で2度の優勝を経験している鈴木勝さんである。右手を強く握り自身を奮い立たせていたのは印象的だった。幾度となく苦しい状況を乗り越えてきた麻雀で点棒を積み重ね、内山さん、山本遼さんともに成す術なし。ひとり善戦を続ける増田さんだった...がついに山本遼さんから黒い点棒が払われ鈴木勝さんが2大会連続で決勝進出となる。
B卓 激闘の果て。老獪かつ柔軟な麻雀でこの準決勝戦に勝ち上がった内村さんが序盤から順調にアガリを重ね局を進めていく。しかしここに待ったをかけたのが山本秀さん。大会に賭ける想いは人一倍で久しぶりの準決とあってか一打一打噛みしめるように打っていた。一撃必殺を狙っていた石川さんと渥美さんだったが無情にも石川さんの放った牌が山本秀さんと渥美さんのアタリ牌となり逆転で激闘に終止符を打った。
C卓 昇竜の如く。今日1日の勢いで言えば小坂さんの右に出るものはいないだろう。牌が呼応するようにアガリを導いていた。この準決も然りだが事態は急変する。海底で3件テンパイを制した五凌さんがこの勢いをそのまま奪い独走。すかさず対応力の高い竹内さんと越川さんが追撃するが力強く逃げる五凌さんを捉えることができず勝負は決した。
D卓 麻雀が教えてくれたもの。アドバンテージ者の平井さんが序盤から他家を大きく突き放す。そしてここに追随するのが岩上さん。近づいては離されを繰り返し局面はオーラスへ。千葉さん河野さんともに役満でも届かない場面なのだが、それでもこの局面を楽しんでいるかのようにひたすら牌を絞り続ける。トップ目(平井さん)に鳴かせることもなく、親(岩上さん)に鳴かせることもなく...結果は岩上さんがツモあがり平井さんを捲るのだが、その影にはこの2人の麻雀に対する真摯な姿勢があったからなのかもしれない...。
Last stage(決勝戦)
前大会に続き、準決勝でアドバンテージ者が全て敗れるという波乱から決勝卓に勝ち上がったのは、鈴木勝さん山本秀さん五凌さん岩上さんの4名。ここでは山本秀さんと岩上さんが優勝経験者である。準決勝で敗れた多くの強者たちが見守るなか闘牌が始まる。東1局親の山本秀さんの6000オールが決まる。一見簡単そうなハネ満だが場況を加味したすばらしいアガリであった。その後も攻め続け南入したときには5万点オーバーとなっていた。南入直後はすぐに岩上さんがアガる。このアガリも場況を捉えた絶妙なハネ満であった。これに放銃した五凌さんが残り1万点を割り、事態は風雲急を告げる。南2局親岩上さん。親満一発で逆転という点棒状況から「ロン」の発声。3900。放銃者は山本秀さんだった。差は益々縮まったがその後は山本秀さんが小さいながらもアガリを拾いオーラスへ。山本秀52200岩上43400その差8800である。ここまで全く手が入らず沈黙していた鈴木勝さんだったがこのオーラスまで黙っているわけにはいかない。流局テンパイで1本場を付けると次局テンパイ即リーチ。これが一発ツモとなり、三つ巴の様相となった。オーラス2本場岩上さんがついに動く。南ポン発ポン...数巡後...「ツモ」!!!「1000・2000」私は一瞬?となったがそう、2本場があったのである。この大舞台でも一瞬にしてこの計算が出来るのはさすがの一言。よく見ればアタリ牌を見逃しているではないか!その胆力と判断力には脱帽である。
第21回Jボーイカップ優勝 岩上 貴是さん おめでとうございます!!!
dai