第20回Jボーイカップ2016夏 決勝戦観戦記
2016/09/05
1st stage(1、2回戦)
蒼く高い空に入道雲が混じる9月4日、28名の雀士たちが集結し、今年の夏の最後を飾るJボーイカップ2016夏決勝戦が行われた。
1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。
準決勝へ堂々の1位通過は初出場の斉藤さん。持ち前の攻撃力を生かし終始攻め切った。2位につけた内山さんも初出場ながら攻撃力の高い雀士。3位にはユニークなキャラクターで人気の鴨岡さん、4位に街中店歴代王者の中ノ神さんと続き、ここまでの4名が準決勝でアドバンテージを獲得する。
そして注目すべきは1回戦でトビラスながらも2回戦で7万点オーバーを叩き出した平井さんだろう。
明暗を分けたボーダーラインは621。6万点を目指し3900のアガリによってそれを達成した岩渕さんだったが惜しくも次点となった。
2nd stage(準決勝戦)
準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決定する。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。
トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 王者の風格。1、2回戦を戦う前大会チャンピオンの高林さんからそんなムードが漂う。しかし、この準決勝では沈黙。斉藤さんと千葉さんが果敢に攻めるもその合間を縫うようにアガリ切る内村さんが展開を捉える。オーラス斉藤さんvs内村さんという構図だったが、ここでも「卓上の技工師」のネームに相応しい麻雀で内村さんがアガリを拾い自身初となる決勝卓への1番乗りを決めた。
B卓 忍耐の価値。東場から連続放銃により竹内さんが大きく後退。内山さんvs鈴木勝さんの図に袴田さんが値千金の跳満ツモにより三つ巴の闘いとなる。普段から耐えるべきを耐え、攻めるべきを攻める袴田さんのペースかと思われたオーラス、力強い「ツモ」の声と共に牌を置いたのは鈴木勝さん。逆転での勝利に満面の笑みを浮かべていたのだが、本当に苦しく忍耐の麻雀をしていたのはこの人だったのかもしれない...。
C卓 焦りの代償。序盤から積極的に攻める重光さんが徐々に加点し他の3人を突き放す。余裕があると踏んだのか南3局の親聴牌を崩し、局面はオーラスへ。最後の親は2回戦で脅威の連荘を見せた平井さんなのだが...。鴨岡さん跳満ツモ、白井さん跳満直撃という条件であったが、白井さんが、これを満たす聴牌を入れる。倍満ツモが条件に満たないため当然のダマテン。...が、こういう時にツモってしまうのが麻雀である。渋々フリテンリーチとするが無念の流局。その後も親の平井さんの連荘は続き4本場にて重光さんがアガリこの勝負に決着をつけた。
D卓 反撃の狼煙。「最速最強」を掲げ、序盤から猛攻を続ける鈴木崇さん。そしてこれに捕まったのが名倉さん。気が付けば点数表示は1桁に...フリー対局であればそのまま終わっていただろうが、トップしか意味を持たない準決勝において名倉さんをトバすのは1人しかいない。樽井さん、中ノ神さん共に苦しい戦いを強いられる。そして名倉さんの点棒は3万点台まで復活し、さらに逆転の大三元の聴牌が入る。その瞬間待ちの白はまだ山にあった...、が流局で決着し鈴木崇さんが2度目の決勝卓に座ることとなった。
Last stage(決勝戦)
準決勝4卓アドバンテージ者が全て敗れ、決勝卓に座ったのは内村さん鈴木勝さん重光さん鈴木崇さんの4名。うち2人は初決勝卓となる。
そして、運命は早い段階で動き出す。東2局内村さんの仕掛けに鈴木崇さんが猛追をかける。このリーチに裏ドラが乗り24000!半荘1回戦で24000は致命的だ。次の東3局では鈴木勝さんのリーチに重光さんが放銃となり12000は15000。この後は場が重くなり流局が続くのだが、これは点棒のない2人の影響だろうと私は推測する。フリー対局ならば飛んで次行こう!なのだが、この1回しかない決勝戦を大事に大事に打っているのだと思う。たくさんのギャラリーに見守られ、勝者にだけスポットが当たるこの麻雀というゲームは、この大事に打っている人間によって支えられているのだと...。そして局面は南場へと移るのだが、ここからは鈴木崇さんの圧倒的な強さが爆発する。終わってみれば8万点オーバーの完全優勝だ。素晴らしい。さて、今回も当店スタッフの井上が準決勝終了後に感極まっていた。いつもながらだが麻雀に対する熱量には感服する。この麻雀熱は皆様にもきっと伝染しているはず...
第20回Jボーイカップ優勝 鈴木 崇弘さん おめでとうございます!!!